どこの家にもあると言っても言い過ぎではない、人参。
人参との栄養といえば「カロテン」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
薬膳からみた人参は想像以上に色々な力を持っていますよ。
意外と知らない人参について
人参にも旬がある
スーパーで1年中手に入れることができる人参。実は年に2回の旬があるんです。
4〜7月が旬の「春夏人参」、11〜12月が旬の「冬人参」です。
人参の選び方
色がしっかりとしたオレンジ色で、表面に凸凹が少なくなめらかなものを選ぶのが良いです。
葉っぱがついているものは葉が生き生きとしていてしおれていないもの、葉っぱがないものは切り口が茶色くなっていないものを選んでください。
そして、切り口が小さい方が柔らかい人参といわれていますよ。
人参の保管方法
人参は乾燥が苦手。新聞紙で一本ずつつづんで冷蔵庫や冷暗所に保管するようにしてください。
薬膳の視点から見た人参の効能
五味:甘
五性:平
帰経:肺・脾・胃・肝
効能:養血明目・斂肺止咳・健脾化滞
体を温めも冷やしもしない「平性」なので、どんな体質の人でも取り入れやすい人参。
色々な効能がありますよ。
目のトラブルの緩和
血を補ってくれる作用があり、特に目に効果があるという人参。
目のかすみ、疲れ目、視力低下など目のトラブルを緩和してくれる作用があります。
体を潤す
以前お話した「津血同源」という言葉にある通り、血を補うと体に潤いも生まれてきます。
そのため、肌の乾燥や髪のパサツキ、爪が割れやすい、便秘などの症状も緩和してくれます。
↓「津血同源」についてはこちら
咳をおさえる
肺に働きかけて咳をおさえてくれます。
慢性的な咳に効くといわれているので、長く咳が続いていたり喘息の方に。
おなかを元気にして消化を促進
お腹に働きかけて消化吸収を高めてくれます。食欲が出ない時や便秘のときにおすすめ。
おなかに残っている食べ物を消化してくれるので、食べすぎたときに人参を食べるとおなかがスッキリしますよ。
そして、おなかを整えると気血がしっかり作られるようになるので、体も元気になってきます。
強い体作りにもぴったりな食材です。
人参を食べるときの注意点
大根と一緒に食べない
人参と大根を一緒に食べると、お互いの効果を消してしまうのでおすすめできません。
人参は補う力があるのですが、対して大根は余分なものを捨ててくれる作用がある野菜。
せっかく人参で補ったものを無駄にしないよう、人参の効果をしっかり感じたいときは大根と一緒に調理しないようにしてください。
加熱して食べよう
生の人参は栄養の吸収率が下がるという研究結果があります。
現代栄養学的なお話になりますが、生人参はビタミンCを破壊する酵素「アスコルビナーゼ」が含まれます。
また油と一緒に摂取することでカロテンの吸収率もアップするので、油で炒める調理法が一番人参の効果を余すことなく体に取り入れられる食べ方です。
皮は捨てないで
人参の薬効成分は皮のすぐ下に多く含まれています。皮をむいて食べたらもったいない!
なるべく皮をむかないようにしたり、包丁の背でこそげ落とす程度にするなどしてみてください。
まとめ
いかがでしたか?想像以上にたくさんある人参の効能。
ポイントはこちら!
・人参はどんな体質の人でも取り入れやすい野菜
・血を補って、目のトラブル緩和や体に潤いを与える
・長く続く咳で困ったときにも
・おなかの調子を整えて、体を元気に!
・皮のまま、油を使って調理。大根は別にしてね
人参は一年中手に入れやすい食材。上手に使って、体調を整えましょう!
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