二十四節気の暦ごはん〜小満〜

小満の献立

今日2021年5月21日は小満(しょうまん)。
小満は四季を二十四等分した二十四節気で8番目の節気です。
二十四節気に合わせた献立、“暦ごはん”とともに小満について紹介します。

↓前回の節気はこちら

小満ってどんな日?

小満・新緑の庭

二十四節気とは、一年を二十四等分して考えたもので、有名なものだと「立春」「春分」「秋分」「冬至」などがあります。
これらは昔、中国から伝わったもので、日本に古くから根づいています。

その中で小満は、二十四節気で8番目の節気。
陽気がどんどん増えて、万物が次第に成長して天地に満ち始める頃という時期です。

ちなみに二十四節気の日付は固定されていないので、毎年変わります。
今年2021年は5月21日から次の節気6月4日の「芒種」までの間が立夏です。

薬膳からみた小満

小満・初夏の噴水

立夏をすぎて夏に入り体感的にも暑さも出てくる時期。
本州では梅雨の気配も感じ始める頃かもしれません。(2021年の梅雨入りは早く、もう西日本ではほとんど梅雨入りしていますね…)

そのため、献立を立てるときにはこのようなことに気をつけて考えていきました。

清熱を少し取り入れる

どんどん陽気がまして、体の中も熱をもってきます。
そのため気温が高くなる夏には、体の余分な熱を冷ます作用がある「清熱」作用をもつ食材を食べると夏バテ予防になります。

渇きのケア

体の中の陽気がましてくると、次に出てくるのは渇き。
気温が上がると水分は蒸発しやすくなりますよね。それと同じ考え方です。こちらは前回の立夏同様、私は徐々に体感しています。そのため、潤す作用のある食材を使います。

心をケア

夏は五臓の「心」に負担のかかる季節。そのため、本格的な夏の前に「心」をケアすることが大切。
「心」は苦味がある食材が好きなので、苦味食材を少し入れてみます。

脾(おなか)を労る

脾(おなか)は水分代謝を司る器官。
湿度が高くなる季節には、体の中の余分な湿をさばいてくれる脾を労ってあげる必要があります。また夏バテしない元気な体のためにもケアしていきたい部分です。

利水

湿度の高い季節には体内のにある湿、いわゆる「内湿」をうまくさばいてあげる必要があります。
ただし湿は入り込むとなかなか体から抜け出さないもの。利水作用のあるものは湿度が高くなる時期の必需品です。

以上5点を意識して献立を立てました。
ただ、まだ初夏。住んでいる地域にもよりますが、私のすむ北海道ではまだ寒暖差もあり肌寒い日もあります。
そのため、清熱・心のケアはほんの少し意識する程度にして、体を冷やしすぎないように気をつけました。また、湿度は低くカラッとしているので、利水は意識していません。

ここが薬膳の面白いところ。同じ日本でも、考え方が居住地の気候で変わっていきます。

小満の献立

そんなことを考えて立てた献立はこちら

小満の献立
  • 黒豆ご飯
  • 豚肉と大葉のつくね
  • スナップエンドウとかぼちゃの味噌汁
  • 黒きくらげと卵の炒めもの
  • オクラの白和え

献立で使用した食材の効能について解説

使用した食材にはたくさんの効能がありますが、今回意識した点についてを紹介します。

  • 体の中の余分な熱を出す(清熱):豆腐、小松菜
  • 体に潤いを与える(滋陰):豚、卵、白ごま、豆腐
  • 心のケア(苦味の食材):オクラ
  • おなかのケアして、元気を養う(補気・健脾):お米、大葉、かぼちゃ、黒豆、スナップエンドウ、人参、小松菜

あと、個人的に授乳中なのもあり、黒きくらげで血を補うことも追加しました。

また、食材の五性も偏らないように意識しました
今回使った食材の五性は

  • :豆腐
  • :小松菜
  • :豚肉、スナップえんどう、黒豆、黒きくらげ、人参、オクラ、卵
  • :大葉、かぼちゃ

まだ気温もそこまで高くないので、平性になるようにバランスを取りました。

気候にあった食材を選んで元気な体に

小満の新緑

いかがでしたでしょうか。
小満の献立は清熱、滋陰、苦味、補気、健脾を意識して作ってみました。
今回の献立はなかなか考えるのが難しかったです。まだ夏のさかりでもなく、梅雨でもなく、ちょうど過ごしやすい気候の北海道。
どんなケアを意識すべきか迷いましたが、そんなときこそ「自分の体の声を聞く」
自分の体が欲しがっているものをいれた献立にしてみました。

梅雨入りの早い今年は、おそらく本州の方は例年の小満より湿対策の献立になるかもしれませんね。
この節気はコレを食べなくちゃだめと決めつけるのではなく、その土地、その時の体調に合わせて振り幅のある思考で献立を考えられたら、それこそ薬膳ですよね。

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